2010年10月23日土曜日

搭乗

10月23日
帰国便に乗る日がやってきた。

トラックにケージを載せた。トイレを済ませたテディーは一緒にお出かけに連れて行ってもらえると無邪気にはしゃいでいた。LAまでは長男が連れて行ってくれる。彼はその後サンノゼに向かいインラインホッケー・トーナメントに出場するので、大きなホッケーバッグ・娘の荷物・スーツケース2個、ケージとトラックの荷台はいっぱいだ。

大型犬がチェックインの為、チェックインはフライトの3時間前と言われている。ロサンジェルス空港まではおよそ2時間の道のり。乗るまでに5時間。先は長いぞ。なんせ長時間の旅なので、空港まではできるだけストレスフリーにしたくてテディーも車内に乗せた。テディーが長旅に耐えられるだろうか、だんだん緊張してきた。

1時間ほどドライブしてハイウェー405号線に入った所で、渋滞に巻き込まれた。極端なのろのろ運転から全く動かない状態。事故に違いない。
チェックインの時間にはとても間に合いそうにない。娘からすでに空港で待っていると電話があった。
車は全く動かない。事故はどこだ?どこまで続くの、この渋滞。ハイウェーを下りて一般道を走っても意味がない。ここはLA渋滞タウンだ。そもそもハイウェーを降りたくても車線変更もままならない。
娘にチェックインに遅れるとANAカウンターに知らせるように頼んだ。もしかしたら飛行機に間に合わない?あせる。。。だけどあせっても仕方がない。。。。乗れなかったら乗れなかっただ。その時はその時と開き直った。そんな中、抗癲癇薬だけは忘れず飲ませた。

事故現場を通過した。大型トレーラーとSUV, 小型乗用車の大事故だった。トレーラーはひん曲がり、SUVは二人乗りのスマートだったのかと思ったほどの大破だった。一瞬にしてあんな姿になってしまう。数十分前には何も変わらず走行していただろうに・・。

1時間半ほど遅れて空港到着。待機していた娘と再会。大荷物をカートに載せ、テディーを引いて(後から、空港ではペットはケージに入れる必要があると知った)チェックインカウンターへ。バタバタと私のチェックインと共にテディーのチェックインをする。テディーのフライトが220ドルとは安い。しかし荷物扱いで真っ暗な荷物室(Cargo)に入れられる。空調があるそうなので文句は言えまい。
水分補給用のボトルタイプの水がケージにしっかりついているのを確認し、スナックの入ったコング、大好きなトリートをケージに入れた。時間が迫ってる。準備完了。テディーをケージに入れた。今後、日本到着までケージには決して触ってはいけないとの注意を受けつつ、ペット預けカウンターに向かう。

きちんとした別れもできないままに、テディーのケージは係員にテープされ奥に連れて行かれてしまった。あの時テディーは吠えていたのだろうか?記憶にない。テディー自身はもちろん、私達3人もあれよあれよという間に連れて行かれちゃったという感じだった。

テディーを預けてしまったら、手持ち無沙汰になった。子供達に別れを告げた。淡々としたものだった。
一人になって、ふいに12時間のフライトが不安になった。

10月23日(土)12時45分 LA発 ANA0005便は予定通り離陸した。


10月24日帰国

ANA0005便は満席だった。
そして流されるまま機中の人となった私は、テディーの事が気になって仕方がない。本や映画を見たり眠ろうとしたり、とにかく考えないように心がけたが心はどうにも落ち着かない。

ペットの輸送で評判が良いのはコンチネンタル航空だ。しかしコンチネンタルはロサンジェルスー成田の便がないので、日系の航空会社にした。JALとANAではどちらが良いかわからなかったので、僅かに安いANAを選んだ。荷物室なのでかなりの騒音ではあるが、空調も行き届き心配はないはず。
思いは通ず?!<同じ飛行機に乗ってるから大丈夫よ。あと○○時間だよ。>機内ではずっとメッセージを送っていた。

24日4時、予定より早く成田到着した。
入国手続きを終えターンテーブルへ。<ペットをお預けの方へ>と私の名前も書かれた案内板が荷物と一緒にターンテーブルで回ってる。係りの人にペットの引き取り方法を聞いた。ペットももう出てきているので、すぐに連れてくると言ってくれた。
ドキ ドキ ドキ ドキドキドキ・・・・・・。
大きなカートに載せられたテディーの入ったケージが運ばれてきた。おおお、生きてる~~~。体の力が抜けていくような深い安心感に包まれた。
その後、だらしなく頭を下にぺたりとへたりこんでいる間抜け顔のテディーが、おかしくて笑いが出てきた。ああ、なんて鈍い子なんでしょ。私がいるのに全く気づいてない(テディーは鼻も目も悪い)なんて。
数分してやっと私の存在に気づいたテディーは、狂ったようにケージ内で吠えまくった。大型犬だからその声の大きい事、とんでもない音量だ。吠えながらケージの中で飛び跳ねようとするテディー。興奮のあまり発作を起こすのではないかと思った。
テディーの吠え声、それを制する私の<NO!TEDDY, QUIET!>という怒鳴り声は、空港中に響き渡った。

吠え続けるテディーのカートをおしてくれる係りの人と共に、検疫所へ。大型犬カートのお通りは空港内の人々の注目の的となってしまった。検疫所の話では大型犬の輸送はほとんどなく、成田空港で大型犬を見る事はないらしい。
余談だが、日本で生活して感じたのは日本ではテディーはかなり大きい犬に見えるようだ。道行く人はまず<うわ~、おっきいー>と言う。そして大きいには二つのタイプがあって、大きくて凛々しいという肯定的なものと、かたや大きくて恐いと身を固くする人たちがいる。犬を通しての会話は日本とアメリカほとんど変わらないが、犬の大きさに対する反応はずいぶん違うように感じる。

検疫所で娘に持ってきてもらったUSDAの判の押された書類のチェックをした。それと同時に事前届出書の確認をした。あいにく事前届出書の申請方法に誤りがあり(テディーは機内持ち込みではなく、Cargo(荷物室)だったので、輸送にCargoと書いていたが、Cargoは別送Cargo扱いになるようで、成田の別の検疫所管轄となり、届出書はそちらの検疫所に送られてしまったらしい。ううう、また失敗。だけどCargoという言い回しだけでは説明がなければわからないよ。
アメリカからの書類は問題なく受理されたが、届出書の確認に手間取り待ちとなった。しかしケージに入ったままとは言え、姿が見られるところで処理をしてくれるのはありがたい。でも早く薬を飲ませたいよぉ~。

検疫所のOKができるまで待つしかない。
しばらくして検疫所の個室を提供してもらえ、そこでケージから出す事も薬を飲ませる事も許可された。

ようやく検疫所から開放された。
ゲートの出口に夫が待っていてくれた。検疫所の係りの人は駐車場までテディーカートを運んできてくれた。親切な検疫所!
外は雨だったが、テディーをケージから出し夫と対面した。狂喜乱舞のおたけびが出た。
夫の用意してあったえさやスナックを与える。姉夫婦が貸してくれたミニバンに荷物とケージを積み込み、栃木の家に向かった。

夜9時半頃、家に着いた。
16年前に建てた家に入った。とても不思議な感じがした。自分達の家になるよう頑張って立ち上げてくれていた夫の働きがそこここに見えた。引越し荷物もすでにだいぶ片付けられていた。

サンディエゴの家を出て22時間。テディーが庭で思い切りおしっこもウンチもした。
何の苦労もせずに思いっきりしてた。普段慣れない場所では決して出ないテディーだったけど、よほど溜まっていたのでしょうね。テディーの新しい住まいのトイレ場所が簡単に決まった。

退会したユーザー2010年12月01日 22:59
搭乗編と共に一気に読ませて頂きました!
空港に向かう道のりでの渋滞、ハラハラしましたあせあせ(飛び散る汗)

そして、無事成田に到着して、kameさんとテディーの再会。
狂ったように吠えるテディーと、ほっとしたkameさんが目に浮かびました。
トイレ場所もあっさり決まったし、順応性は人間以上にありそうわーい(嬉しい顔)

kame32010年12月02日 07:05
holoholoさん

テディーの輸送には時間も手間もずいぶんかかりましたが、過ぎてしまえばどうと言う事はないように思えます。帰国時の思いを少しでも記録に残そうと日記に書きましたが、読んでいただけて光栄です。

テディーはすっかり日本の犬になりました。知らない人に対する警戒心もどんどんなくなっているのは、どうしてかしら?やはり日本人が好きなのかな~?

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