2009年9月17日木曜日

初体験 Small Claim Court 裁判


その1

日本でたっぷり休養を取らせていただいたので、サンノゼに戻ってからは時差ぼけもなく精力的に動いてる。

帰って早々ビックなイベントがあった。
詳細を忘れぬ内に書き留めておきたい。長文になりそうだ。

”裁判”
6月のミニガラス破損事件だ。
ガラス修理にかかった費用を全く払おうとしないばかりでなく、こちらからのメールにも何の返信もしなくなったP青年。お金を取り戻すと言うより、このまま何の責任も取らずに逃げてしまうP青年が許せない。そう、言うなれば”Justice”。こんなの許せないよ。
7月中旬、Small Claims Courtに裁判の申し立てを行った。申請の費用は42ドル。
その後裁判所から訴えの書類がP青年の元に送られ、相手方のサインがされて裁判所に送り返された。もしこの時点でサインされないか、送り返されなければ直接本人に書類を届けに行かなければならなかった。
(この時は、相手方が受理した事を単純に喜んでいた。)

そして2ヶ月が過ぎ、裁判当日となった。

9月17日(木)晴れ

8時30分の予約だったので、早めに家を出て裁判所に着いたのは8時。
裁判所のドアは閉ざされ、多くの人が開くのを今か今かと待っている。待つ人の数はどんどん増え長蛇の列となってきた。この人たちみーんな、訴えている人達と訴えられた人達?すごい数。それでもドアは閉まったままだ。
8時半、やっとオフィサーが出てきて大声で入所時の注意を説明始めた。
持ち物検査の後、各自指定の部屋の向かった。

我々の予約はDep58. 部屋の入り口に8時半の裁判予定の名前が貼られている。
申し立てた息子(18歳を超えた息子は自分で裁判を起こすことができる)の名前は一番最後の18番目だ。
18組まとめて入室。うわ~~~、しっかり裁判所だわ。中央高座に裁判官席、右手に書記と思われる女性が座り、左手にオフィサーが座る。オフィサーの奥には3人のmediater(仲介人)。
書記が点呼を取り言語の確認(通訳の必要の有無)をし、Witness(目撃者)の証言申請を行う。友人を巻き込むのを嫌った息子は、ガラス破損現場を見ていた友達を連れてこなかった。
息子の名が呼ばれた。そして相手の名が”P○○”と・・・。が、来ていたのはP青年の父親。電話で話した(話にならなかった)あの人だ。P青年の姿がないと思っていたけど、父親が来ていたのか~。

オフィサーの指示に従い、廊下で18組それぞれ両者間の話合いが始まった。
どきどきした面持ちで、椅子に座る父親の前に行く息子。名前を名乗りあう。同席した私も名は名乗ったがかすかに迷った末の握手なし。すぐに本件に入る。

続きはまた。

anton2009年09月20日 15:23
あぁぁぁ、ここで終わってしまうなんて。
ドキドキドキ・・・

ととると(*´ω`*)♪2009年09月20日 23:21
続きが気になります…

kame32009年09月21日 07:45
antonさん&アロハダックさん

その後は、感情を抑えながら書かないと~~。
世の中厳しいもんです。
乞うご期待!・・・・なんて、うまく文章になるか、甚だ疑問です冷や汗。

退会したユーザー2009年09月21日 09:47
ガラス割っておきながら放置し、本人が裁判所に出頭しないなんてあまりにも常識がなさすぎるexclamation ×2
キィーーッダッシュ(走り出す様)ダッシュ(走り出す様)衝撃
 
アメリカって裁判沙汰になること多いと聞いてましたが、本当なんですね。自己の罪を認めないは国民性なのでしょうかexclamation & question

kame32009年09月22日 00:00
holoholoさん

ありがとうございます。
何がまともな事なんだか、わからなくなってくるような相手の態度。
とっても勇気づけられます!

何でも裁判に持ち込むアメリカ社会。世相も手伝って、裁判はさらに増えているんではないかなあと思います。
こういう事があると、人それぞれ思いもよらぬ判断をするもんだと、したくもない経験をしました。


その2(話し合い)

裁判官を前に訴状を申し立てる本裁判に入る前に、最後の和解の話し合いのチャンスを与えられた私達は、挨拶もそこそこにP青年の親(P親)との話し合いを始めた。
息子がまず、大まかな事件の概要・経過を話した。
「今息子が言った事に、あなたは同意しますね?」と私。P親の第一声は「これらすべてSuspiciousだ。」”
”Suspicious”怪しい、疑わしい・・・・!
私「Suspicious?何が?」
P親「全部。そもそも何で二人でミニのディーラーまで行かなきゃならなかったの。そこで事故。そしてめちゃくちゃ高い修理費。若者なんて金取る事しか考えていないの、あんただってわかるでしょ。全く信用できないよ。」
息子&私 「?!?!?!?」
私「信用できない!?それじゃ何で本人のあなたの息子がここにいないであなたがいるの?そもそもあなたは事件の内容を何にもわかってなかったじゃない。息子と夫が電話で話したのを覚えてる?」
P親「ああ、覚えてるよ。でも私の住所の所に手紙が来たから、私がサインして送り返したんだよ。だから私がここに来た。息子はもう家には居ないよ。南カリフォルニアに行った。」

と、いうような話から始まり、
何と息子の行き先・住所は私にもわからない、今家を探してんじゃないかな~と平然とのたまう。

気を取り直して、とにかく修理費を支払ってくれるよう話を進めようとするが、相変わらず疑わしいだの、話の辻褄が合わんだの言葉で何も進展なし。
さらに腹が立ってきて熱くなる私。抑えて抑えてと言うような息子の素振り。
P親「実際、おまえ(息子を指して)金取っただろ!」
息子「取ってませんよ!」
P親「いや、もうすでに私は6000ドル位修理費、あんたの車と、うちの車で払ってんだよ。保険を使ってだけど。」
息子「その問題とガラスの問題は別ですよ!いずれにしてもあなたじゃ話し合いになりませんから、裁判官に判断を任せましょう。」
P親「ああ、いいよ。たとえあんたが勝ったとしてもどうせ息子は金を持ってないんだから払えないものは払えないけどね。ハハ。」
ムカ~~~~~!

もう話す余地はない。
(だけどこの時は、裁判所を信じてた。。。。)

形ばかりの和解に向けての話し合い(努力)は、その後も続いた。

退会したユーザー2009年09月22日 13:15
最後のくだりが気にかかります・・・
裁判所は正しい判断してくれなかったのでしょうかexclamation & questionexclamation & question

それにしても、P親の開き直り?悪あがきは感心さえしてしまうバッド(下向き矢印)

kame32009年09月22日 13:42
裁判・・・・あまりに悲しい(?)結末なのです(泣)。

が、実は今日も引き続きこの件で動きがありました。
ああ、どんどん筆を進めなくちゃ~。


その3(仲介人を交えて)
 
さてさて、両者間の話し合いは不愉快なままに終わった私達だったが、8時半召集の18組に与えられた和解の話し合い時間はまだ終わらない。
様子を見て回っているオフィサーが暇そうにしている私達に声をかけた。
「仲介人を入れて話しましたか?」と、オフィサー。
NOと答えると、すぐに仲介人を交えての新たな話し合いとなった。
再び息子が事件の概要を話す。
仲介人「話はわかりました。ところで何であなたがここにいるのですか?本人は?」と、P親に聞く。P親は先ほどと同じように「自分の所に送られてきたから、自分がサインして自分が来た。」と答えた。そしてまた「そもそも、全て疑わしくて信用できない。何で息子がミニのディーラーに行かなきゃならなかったんだ。私は6000ドルくらいすでに使ってるし、見積もりって言ったって、何にも信用できないよ。」
仲介人「見積もりはきちんとしたもののようですので、息子さんが一緒に行こうが彼(うちの息子)が一人で取ってこようが全く関係ありませんね。それより息子さんが来ていないという事が非常に問題です。裁判官にも決していい印象は与えないでしょう。息子さんが訴えられていて、支払いをしていないで訴えられているという事はファイルに残りますが、このままでいいんですか?息子さんが来る必要があります。あなたではなくて!」
P親「私しゃ関係ないね。息子はどこかもわからないんだから・・・。」
めちゃくちゃな論理を展開するP親に仲介人も、あきらめモード。
これ以上の展開は望めない。再び話し合いは決裂した。

P親の元を離れ、仲介人と話す私達。
仲介人「全ては裁判官の判断となりますが、本人のP青年が来ていないのでかなり難しいでしょう。」具体的な話は何もなかったけれど、私達に好意的な言葉・表情がうれしかった。

そして、いよいよ法廷に行くよう声がかかった。

退会したユーザー2009年09月24日 15:16
加害者本人が来ていないと被害者側にとって不利になるのですかexclamation & question
来ないとゆう事は、すなわち自分の非を100%認めますバッド(下向き矢印) 無知な私はこのように解釈いたしますが。。がく~(落胆した顔)

kame32009年09月24日 23:47
法をくぐって生きる道ってあるんですね~。今回はへんな(?)勉強をしました。


その4(公判、その後)

法廷に集まったのは僅か4~5組。残りはまだ話し合い中か、和解が成立して裁判とならなかったか。
仰々しく裁判官ご登場。一同起立して裁判官が席に着くのを待つ。
息子の名前・P青年の名前が早々に呼ばれた。
証言台右手にP親・左手に息子。裁判官が書類に目を通し、、、、
「本人が出廷していませんので、裁判は無効。何か言いたい事はありますか?」と息子に聞く。
息子「相手の所在もわかりませんが。」
裁判官「調べて本人宛てで裁判の申し立てをもう一度行ってください。以上。」と、書類が渡された(書類には無効の文字)。
チャンチャン。
唖然とする息子、一般席にいる私も耳を疑った。それに反して小躍りするように退廷するP親。裁判官のお達しは絶対。反論や横やり・質問は厳禁とオフィサーに言われていた。何もこれ以上言う事はできない。
全てはP親の思う壺。こうなる事はP親はわかってた?仲介人との話し合いの後、ひどい貧乏ゆすりを落ち着かない様子が一目瞭然だったP親のあまりに対照的な小躍り退廷。なんて世の中憎たらしくできているでしょ。

裁判のあと、仲介人の手が空くのを待って、今後の私達の取るべき方法を相談した。仲介人の最初の一言が、痛い。
"Unfortunately 不幸にも・・・” 出だしのこの言葉で、一縷の望みが絶たれた(大げさ?)
仲介人は非常に同情してくれたが、「結局この件はどうしようない。相手の住所を探し出して書類にサインさせ、出廷させるしか道はない。相手の住所は自分で見つけるほかはなく(裁判所は何も動いてくれない)、そういう業者もあるけど、656.48ドルの請求の為に業者を使うのは得策とは思えない。さらにP親に18歳を超えたP青年の住所を教える義務はなく、追求はできない。」と。
つまり、打つ手はないという現実。

重ねて言いたい。お金というより相手が非を認めてくれれば気が収まったのに、これでは不愉快な思いだけが残る。だけど何もできない現実。

帰路息子がボソッと、
「もし何かで訴えられたら、この手があるんだね。日本に行っちゃったらもっと安全かな。」と・・。ちょっとちょっと~、勘弁してよ~。
本当にこんなの若き青年達に悪い道を教えているようなもんじゃん。
息子に言う。
「少なくとも、あなたの父親ははP親のような人でなくて良かったね。メールからはP青年も決して悪い奴には思えなかったもの。」
息子「そうだよ。彼は普通だった。」
盗人呼ばわりまでされて相当頭にきていたであろう息子が、最後まで冷静にP親・仲介人・裁判官に話をしていたのは、本当に感心した。私はかっかとして、かなり感情的になっていたのだけど、息子が一回りも大きな男に思えたのはただの親ばか?
その後、息子と善悪の話・人間性の話などなど実のある話がゆっくりできたのは、この裁判の収穫かな。

そして数日後、息子の大学の新学年が始まった。
息子はすぐにP青年と付き合っていた人たちに聞いて回ったらしい(やはり腹の虫は治まっていない!)。
P青年の友人達も息子に好意的でいろいろ情報をくれたようだ。
そしてわかった新事実。P青年は、裁判所からの召喚状が送られた時期にはまだその住所にいた。彼が南カリフォルニアに行ったのは裁判の僅か3日前。P青年は複数の友人に「これからサンディエゴに行く。3ヶ月したらまた戻るつもり。」というメールを送っていたのだ(このメールを息子は読ませてもらった)。
全ては、裁判をくぐり抜けるための行為。
召喚状にサインをしなかったり送り返さなければ本人の非になる。
しかし本人でない人間が勝手にサインをして裁判に現われれば、不十分で裁判は無効になる。そんな法の抜け道を知ってのP親子のトンズラ劇。入れ知恵されなきゃこうは行かないでしょう。それともすでに経験ありー?

息子は引き続きP青年の住所を調べているようだけど、実際彼にサインをさせて出廷させるのは難しいだろう。

保険会社に全てを委ねようか、弁護士に電話相談もしてのこの裁判申し立てだったが、こんな結末が来るなんて、誰が予想したでしょう。
とんでもない勉強をした事件だった。
お勉強代としては、申し立て費用を入れて700ドルの出費はちょっと高すぎだけど、生きた勉強という事で、納得するしかないのかな。
だけど、世の中なんか間違ってるよね。

anton2009年09月25日 10:08
なんじゃ~そりゃぁ!って言いたくなっちゃいますよね。
召喚状にサインした時点で、サインした本人が自動的に被告としてすべてを引き受けるとか、被告本人のサインがない召喚状は受理されないとかしてくれないと、いくらでも逃げられるじゃない。
それを防ぐためには自分で召喚状を届けなくてはいけないってこと?
う~ん、よくわかりません。納得いかなくて当然だわよ。

それにしても終始、冷静さを保った息子さん、えらいなぁ。

kame32009年09月25日 12:24
そうでしょ、そうでしょ~。
何なのそのシステムって言いたくなりますよ。P親の小躍りして出て行った姿が忘れられずー、う~~~悔しい。
息子は確かに立派だったかもしれないけど、<何で熱くならないのよ>とも思いましたよ。ここで怒らんでどうする~みたいな。熱くなってもどうしようもないんですけどねぇ。そもそもこの事件があった時、ぐちゃぐちゃ言っていたのは私一人。男共は至極淡々としていて、男って違うなあって感心しました。長男と夫はホントにミニを愛してましたから、怒りは私以上だったと思うのに表現の仕方が違うんですね。

退会したユーザー2009年09月25日 15:24
そんな結末、納得出来ないexclamation ×2exclamation ×2
こんなんじゃ、問題解決になっとらんダッシュ(走り出す様)と申し立てしたい衝撃

間違いなくP親は、こうなる事を分かっていたに違いないちっ(怒った顔)

kame32009年09月26日 01:20
holoholoさん

ありがとうございます。
ホント、どう考えてもこれじゃ全く問題解決に至らないですよね。何でも裁判沙汰になるアメリカ社会、悪者が逃げる道がこんなに簡単にあるなんて、とても信じられないです。
こちらではお抱え弁護士のいる家庭も多いと聞きますが、弁護士の数ばかり増えている世の中ってのもへんなもの。一般市民に優しい国造りを切に希望します。

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